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【産経抄】7月30日

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【産経抄】
7月30日

 宇宙飛行士の土井隆雄さんは1997年、米スペースシャトルで日本人初の船外活動(宇宙遊泳)を行った。帰国後の会見の冒頭、シャトル内で作ったという日の丸弁当の写真を披露した。

 ▼「宇宙では刺激物がすごく欲しくなるので、梅干しが本当においしかった」。弁当箱いっぱいにつまったご飯の真ん中に真っ赤な梅干しが1つ。栄養不足で弁当としては落第だと思いきや、さにあらず。

 ▼「梅干ひと粒が、九九パーセントの米の酸性を中和し、米のカロリーは食べたほとんどが吸収される役割を果たす」。つまり「労働のための理想食」と、歴史学者の故樋口清之さんは、ベストセラーとなった『梅干と日本刀』でたたえていた。

 ▼日本は暑かったり、寒かったり、湿気が多かったりと、必ずしも住みやすい所とはいえない。日本人は少しでも快適に暮らすために、さまざまな工夫を重ねてきた。梅干しはその最高傑作の一つといえる。本日は「梅干しの日」である。その殺菌作用から、食べると難(7)が去る(30)の語呂合わせで生まれた。

 ▼6月に漬けた梅が食べられるようになる時期でもある。日本一の梅の産地である和歌山県内のJAや加工業者に、全国から梅干しの注文が殺到しているという。朝食で食べれば、日中の塩分不足を予防し、豊富に含まれているクエン酸が疲労物質を取り除く。梅干しが熱中症対策に効果がある、とテレビの情報番組が報じたからだ。

 ▼台風12号は、日本列島を東から西へと横断する異例のコースを取った。大雨の恐怖が去った地域では、再びうだるような暑さが戻ってくる。日本古来の知恵である梅干しの力を借りて、8月の猛暑を乗り越えたい。「大粒の梅干ひとつ暑気払ひ」(福田甲子雄(きねお))

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