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【産経抄】7月28日

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【産経抄】
7月28日

 通勤途上や帰宅途中に、道交法違反の自転車運転を目撃しない日はまずない。一方通行道路の逆走、傘さし運転、夜間の無灯火運転…。「急に飛び出してくる自転車は怖い。ぶつかったら車が悪者にされる」。先日利用したタクシーの運転手が嘆いていた。信号無視の自転車を慌ててよけた際のことである。

 ▼6月には、77歳の女性を電動アシスト自転車で死亡させた20歳の女子大生が、重過失致死罪で在宅起訴された。女子大生は左手にスマートフォン、右手に飲み物を持って左耳にはイヤホンをしていた。前をよく見ていなかったという。

 ▼警察庁の統計によると、自転車乗用中の死者数はピーク時の4分の1まで減った。平成19年から29年の間に、自転車が関係する事故件数も実はほぼ半減している。ところが、自転車対歩行者の事故件数は約1割しか減っていない。

 ▼自転車による対人事故では、損害賠償額が9千万円を超えた事例もある。ちょっとした不注意や法令違反が引き起こす事故によって、被害者だけでなく加害者側とその家族も一生を左右されてしまう。後で悔やんでも取り返しがつかない。

 ▼こうしたなか、自転車保険への加入を義務化している地方自治体が増えている。政府も27日の閣議で自治体に対し、「損害賠償責任保険への加入の促進を図ることを要請していく」とする答弁書を決定した。もちろん、それも必要なことだろう。

 ▼ただ、最重要なのは自転車利用者の甘えを断つことではないか。6月に閣議決定された自転車活用推進計画には、「指導取締りの徹底を図る」「違反行為への対応の在り方について検討」とある。警察の人手不足は重々承知だが、道交法違反の自転車運転はもっと厳しく監督してもらいたい。

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