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【正論】持続可能な社会つくる歴史観を 社会学者、関西大学東京センター長・竹内洋

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【正論】
持続可能な社会つくる歴史観を 社会学者、関西大学東京センター長・竹内洋

社会学者の竹内洋・関西大学東京センター長 社会学者の竹内洋・関西大学東京センター長

 近年、言論界にはこうすればすべてうまくいく、あるいは物事を善悪正邪の二項対立に振り分けて性急に裁断する極端な言論が増えている。この傾向は言論だけでおさまらない。

 われわれは、それをすでに経験している。破局史観の空気に乗って1995年にオウム真理教の地下鉄サリン事件が起きた。特異な一回性の出来事と言い切れるだろうか。2020年の東京オリンピックという祭りの後が危険ではあるまいか。

 すべきことははっきりしている。今の状態を微調整しながら維持の方策を考えつつ、未来の世代のつけを減らすことである。反復・円環史観に生きた人々の子孫への思いと重なるものがある。華々しさはない。地味で根気もいる。持続可能な社会のためにはこうした「成熟」史観に立脚する以外ないのである。(社会学者、関西大学東京センター長・竹内洋 たけうちよう)

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