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【正論】持続可能な社会つくる歴史観を 社会学者、関西大学東京センター長・竹内洋

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【正論】
持続可能な社会つくる歴史観を 社会学者、関西大学東京センター長・竹内洋

社会学者の竹内洋・関西大学東京センター長 社会学者の竹内洋・関西大学東京センター長

 1972年にローマ・クラブ(スイスに本部があるシンクタンク)は、人口増加と環境汚染がこのままの傾向で進行すれば100年以内に地球の成長の限界が来るとした。この警鐘がしだいにリアリティーを増してくる。それにともなって「衰退史観」が台頭する。衰退が避けられないなら、上手に衰退していくことだとされ、大英帝国没落の歴史をもつ英国が「優雅なる衰退」のモデルになったりした。

 やがて衰退・没落史観どころか「混沌(こんとん)史観」や「破局史観」が広がりはじめる。近年の日本の破局史観は73年のオイル・ショックや公害問題を背景に出現した。『日本沈没』(小松左京)や「1999年人類滅亡」(ノストラダムスの大予言)にはじまる。いずれも、末法思想などこれまで間欠的に表れた終末思想の一種ではあるが、そうした気分が今では地球環境の急激な悪化や自然災害の頻発によってせり上がってきている。

 こうして人々に広く、浸透し始めた混沌・破局史観は、2つの危険な傾向を呼びこむ。

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