産経ニュース

【正論】台湾海峡に迫る危機を回避せよ 拓殖大学学事顧問・渡辺利夫

ニュース コラム

記事詳細

更新

【正論】
台湾海峡に迫る危機を回避せよ 拓殖大学学事顧問・渡辺利夫

 台湾の位置付けは、台湾においても、日中、米中という2国間関係からみても、中国が主張するほどに確たるものではない。このことは、中台関係についてわれわれが知っておくべき最低限の知識である。

 ≪日本は実務関係だけのつながり

 中国の台湾に対する発言と行動はいかにも恫喝(どうかつ)的である。膨れ上がる経済力と軍事力、大国化への異常なまでに肥大した自我意識のゆえなのであろう。野放図に膨張する中国といかに交わるか、台湾の帰趨(きすう)はこのテーマに国際社会がどう応えるのかを問う、直近の最重要の課題に他ならない。

 米国は昨年12月に台湾との防衛関係強化をうたう「2018国防授権法」を成立させ、さらに今年3月に米台の閣僚や政府高官の相互訪問を促す「台湾旅行法」を制定した。7月7日には米海軍ミサイル駆逐艦2隻が台湾海峡南部沖から海峡に入り、さらに北東方向へと進んだ。米国は1996年の台湾総統選に際して、中国による基隆・高雄沖へのミサイル発射に対抗して2隻の航空母艦を台湾海峡に派遣した。2007年には香港寄港を中国によって阻まれた米第7艦隊空母が台湾海峡を通過した。この7月の駆逐艦の海峡遊弋(ゆうよく)は、これらにつづく中国への軍事的牽制(けんせい)であろう。

 米国は、台湾との国交断絶後も事実上の軍事同盟として機能する台湾関係法を国内法として1979年に制定、米国の台湾への武器売却や日本各地の在日米軍基地による対中牽制もこの関係法によって可能となっている。

続きを読む

「ニュース」のランキング