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【黒沢潤のスポーツ茶論】FIFAの「館」に棲む亡霊

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【黒沢潤のスポーツ茶論】
FIFAの「館」に棲む亡霊

ゼップ・ブラッター前FIFA会長(ロイター) ゼップ・ブラッター前FIFA会長(ロイター)

 幹部たちの汚職体質は目に余るものだった。「ミスター10%」の異名を持つ元理事はスポーツ関連業者に契約額の1割を見返りとして要求し、13億円の不正利益を得た。懐が肥え、ニューヨークの豪華マンション「トランプ・タワー」に月額約290万円の部屋を借り、飼い猫に月額約72万円の部屋まで与えた。米マイアミやバハマのリゾート地に高級別荘も所有した。

 第三者から金品を授かることを“FIFAの文化”と豪語した元副会長が要求した賄賂は約12億円にのぼる。米司法当局者は悪辣(あくらつ)なやからが巣くうFIFAについて「ゆすり、たかり、汚職まみれ」と断罪した。

                  

 FBIが当時、捜査したのはあくまで米大陸舞台の事件。ロシアでのW杯前、各国でいまだ眠る腐敗汚職がまた噴き出すと期待したが、静かに大会の幕が開き、そして下ろされた。

 ただ、「棺に入れ、クギを打って閉じ込めたのに、蘇(よみがえ)ってきたフランケンシュタイン」などと識者が形容するブラッター氏をはじめ、うまい蜜を吸ってきたFIFA関係者が世界中で今もうごめいているのは間違いない。少しでも怪しげな動きが露見すれば“裁きの庭”が待ち受けている。

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