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【正論】明治ルネサンスで時代に新風を 文芸批評家、都留文科大学教授・新保祐司

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【正論】
明治ルネサンスで時代に新風を 文芸批評家、都留文科大学教授・新保祐司

新保祐司氏(瀧誠四郎撮影) 新保祐司氏(瀧誠四郎撮影)

 そして、昭和45年の三島由紀夫の自決以降、昭和50年代からバブルを経て平成の30年間とは、いってみれば大正的な時代だったのではないか。「戦後民主主義」というものも、いわば「大正デモクラシー」の敗戦国版であり、戦後日本という新たな「成金」の時代にふさわしいものであった。

 ≪独立自尊へ雄々しい決断を≫

 しかし、来年の5月1日からは新しい元号の時代になる。この時代からは、明治ルネサンスが始まらなければならないのではないか。明治のトーンには、「明治の栄光」が貫いているからである。

 第4巻の「明治の栄光」は、橋川文三の編著であるが、日清戦争から日露戦争までの10年間の時期について「この時期のことを日本国家の『古き良き時代』とみなすことは、多くの人びとの回想に照らして、必ずしも不当ではない」と書いている。

 保田與重郎は『明治の精神』の中で、その時期のことを「三十年代の最高潮の日本」と呼んだ。保田のこの本は、岡倉天心と内村鑑三の2人を「世界人」としてたたえたものだが、天心の『茶の本』と鑑三の『代表的日本人』を念頭に置き「彼らの出現にはつねに詩人と英雄とが、彼らの本性としたところの、颯爽たる英風が自づと匂ひ出たのである。その意味でも彼らは日本の明治芸文を海外に代表したことを後世の僕らが感謝すべき世界人の一人づゝであつた。伊藤公爵のやうに、乃木大将のやうに、東郷元帥のやうに、そして黒木大将のやうに、彼らは三十年代の最高潮の日本の世界的時期を舞台として颯爽と日本の精神史を彩つたのである」と書いている。

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