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【正論】リアリズムで対北交渉を進めよ 新潟県立大学教授・袴田茂樹

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【正論】
リアリズムで対北交渉を進めよ 新潟県立大学教授・袴田茂樹

 第3に、トランプ氏は北朝鮮に体制の安全を保証した。米国にそもそも非人道的な「金王朝の独裁」を保証する権利と正当性があるのかという問題は別にしよう。ただ金正恩氏が「金王朝」の安全を任期数年のトランプ氏に委ねて、祖父の代から国民の飢餓の上に必死に築いた核体制を放棄するとは考えられない。トランプ氏は結局、多くの貧しい独裁国に、核保有への強い動機を与えた。

 以上、平和交渉によるCVIDに関し悲観論を述べたが、北朝鮮に武力行使をすべきだと主張しているのではない。今日の北朝鮮の核をめぐる和平ムードに危ういものを見ているのだ。私は、武力行使の現実の可能性を背景にして初めて、交渉による平和的解決も可能という国際政治のリアリズムの基礎を述べているのである。 (新潟県立大学教授・袴田茂樹 はかまだ しげき)

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