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【正論】米朝会談後の国際底流に警戒を 東洋学園大学教授・櫻田淳

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【正論】
米朝会談後の国際底流に警戒を 東洋学園大学教授・櫻田淳

東洋学園大学教授・櫻田淳氏  東洋学園大学教授・櫻田淳氏 

 ロイター通信(6月5日)は、米韓同盟消滅の可能性を念頭に置きつつ、「日本はフロントライン・ステート(最前線国家)になる恐れがある」と伝えているが、それは、日本にとって、もはや「恐れるべき」事態ではなく「備えておくべき」事態でしかないのであろう。

 ≪米国の「変容」は修正されるか

 第2に、米韓同盟の行方にも反映されるトランプ執政下の米国の「変容」もまた、注視すべき国際政治の「底流」の一つである。トランプ氏における「『敵』をちやほやし、『味方』を雑に扱う」政治姿勢は、彼にあって特徴的なものの一つであるといえる。

 こうしたトランプ氏の直近の対外政策展開は、短期的には今秋の中間選挙、中長期的には2年後の大統領選挙における再選を念頭に置いたものだという説明がある。それが正しいものであるとして、もし中間選挙の結果がトランプ氏にとって期待外れに終わった場合、彼の対外政策展開の行方は、どのようなものになるのか。

 トランプ氏の政治姿勢は、米国の「国柄」に照らし合わせれば、明らかに異形な「権威主義」の様相を帯びているけれども、それは、果たして修正されるのか、それともますます意固地なものになるのか。

 そもそも、トランプ氏の疑似「権威主義」政治姿勢は、米国という国家それ自体の「後戻りしない変質」を反映しているのか。それとも建国後、約250年も経れば折に触れて起こり得る「一時の変調」を表しているにすぎないのか。

 振り返れば、中世期に権勢を誇ったヴェネツィア共和国の歴史には、マリーノ・ファリエロという元首が登場した。彼は、共和国元首であったにもかかわらず、共和国の「国柄」に反し世襲君主を目指した末に失敗し、処刑された故に、その存在が「なかったこと」にされた元首である。

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