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【正論】今こそ普天間返還の対応を急げ ヴァンダービルト大学名誉教授・ジェームス・E・アワー

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【正論】
今こそ普天間返還の対応を急げ ヴァンダービルト大学名誉教授・ジェームス・E・アワー

 悪化する日本周辺の戦略的状況

 1995年に沖縄で米兵による悲劇的な少女暴行事件が起きた。当時は東シナ海や南シナ海で、今日ほど日米同盟が急を要する必要条件とはなっていなかった。

 しかし、そのような重要で戦略的な必要条件が損なわれないように、沖縄に駐在する米軍の残した痕跡を軽減するにはどうしたらよいかを考えるために、事件後10年にわたり、日米両政府の真摯(しんし)で本格的な努力が行われた。

 2005年になって、ようやく沖縄北部の辺野古に近いもう一つの海兵隊施設、キャンプ・シュワブの境界にある人口希薄な地域に、米海兵隊普天間飛行場を移転させることが同意された。政治的な理由で必要とされる建設は遅れているが、まだ作業は続いている。

 注意しなければならない重要な点は、中国の膨張政策や北朝鮮の核兵器と弾道ミサイル、ロシアの冒険主義のために、東シナ海と南シナ海における戦略的状況が悪化し続けていることである。

 事実、小野寺五典防衛相は最近、この現状を1945年の終戦以来もっとも危険な状態であると述べた。米国防総省もまた最近(中国との緊張が高まる中)、「太平洋軍」を「インド太平洋軍」へと改称した。日米両国の戦略の専門家が、中国による威嚇が近い将来、減少すると思っていないことは明らかだ。

 状況が非常に悪化しているため、辺野古沿岸の工事が完了したとしても、普天間飛行場の続行は、それに替わる手段がない限り、戦略的に必要であろう。

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