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【正木利和のスポーツ茶論】年の功の生かし方 女子マラソン指導者、藤田信之さん

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【正木利和のスポーツ茶論】
年の功の生かし方 女子マラソン指導者、藤田信之さん

 「これ見て」とおもむろに藤田さんがクラッチバッグから取り出したのは、毎日の練習内容を記した手帳とスマホのライン画面だった。そこには練習メニューを含めた金監督とのこまかなやりとりが残っていた。

 しかし、隔靴掻痒(かっかそうよう)の感を抱くこともたびたびだという。「東亜マラソンのあとジョギングだけはやらせるように、と連絡を入れたのに、ほったらかし。次の10キロレースの練習も、できてへんねんて」

 やはり、まだまだ熱い。

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 かつて男子マラソンの五輪で金メダルも獲得した韓国の陸上界だが、このところの低迷に、大韓陸連も男子マラソンの強化を外国人コーチに任せることを明らかにしている。

 400メートルからマラソンまでの種目で、指導した選手に計23回も日本記録を塗り替えさせた伝説的指導者に、もし韓国から女子強化のオファーがあったらどうするのだろう。「日本で何かしようといったって、もう請われることもない。受けますよ、もちろん。スポーツに国境はないですし…」

 日本の女子マラソンが世界をリードした時代、ランナーの栄光の裏には、個性豊かな指導者がいた。2人の五輪メダリストを育てた小出義雄さん、女子初の世界王者をつくった鈴木従道さん…。藤田さんもそのひとりだ。

 彼らに比べ、いまの指導者は小粒になった、というと、あなたも古い、と笑われそうだが近年、振るわぬレースを見ると、いつも思うのである。名監督たちが積み上げてきた経験をいま一度、選手育成の現場に生かす術(すべ)はないものか、と。

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