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【石平のChina Watch】時代逆行の「井岡山革命研修」 「紅色」一色に中国を染め上げる習近平政権は、穏やかな文明国家に背を向けるつもりらしい

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【石平のChina Watch】
時代逆行の「井岡山革命研修」 「紅色」一色に中国を染め上げる習近平政権は、穏やかな文明国家に背を向けるつもりらしい

約10年前の井岡山。すでに「毛沢東ブーム」の始まりが見えていた=2007年、中国・江西省(矢板明夫撮影) 約10年前の井岡山。すでに「毛沢東ブーム」の始まりが見えていた=2007年、中国・江西省(矢板明夫撮影)

 中国の湖南省と江西省の境に井岡山(せいこうざん)という山がある。1927年、毛沢東はゲリラ部隊を率いてこの山に潜伏し、いわば「山賊」となった形で「革命根拠地」の建設を始めた。そのことから井岡山は後に「武装闘争発祥の地」と認定され、中国共産党の行った武力革命の象徴となった。

 そして文化大革命の時、紅衛兵の多くはまず一度「井岡山巡礼」を行い、そこで「革命伝統の継承」を誓ってから全国に赴いて、「造反有理」の活動に参加した。井岡山はこれで、数千万人を死に追いやった紅衛兵運動のシンボルともなった。実際、文革中に活躍した多くの全国規模の紅衛兵組織は、まさに「井岡山」の3文字を自分たちの組織名につけた。

 このような井岡山だが、トウ小平の改革開放の時代においては徐々に人々の視界から消えていった。中国社会全体が経済成長と金もうけと消費文化の享受に走っていた中、井岡山が象徴しているような革命の伝統と神話は無用の長物となったからだ。

 しかし今、毛沢東政治の復活を掲げる習近平政権の下で、井岡山は再び脚光を浴びるようになった。政権が起こした「紅色観光ブーム」の中で井岡山はまず「革命聖地」として重要観光地に指定され、公費旅行でやってきた人々のにぎわいで往時の活気を取り戻している。

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