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【国語逍遥(98)】昼の社内で あなたなら、どんな挨拶を? 清湖口敏

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【国語逍遥(98)】
昼の社内で あなたなら、どんな挨拶を? 清湖口敏

昼下がりの社内トイレ。隣に上司が来たら、あなたはどんな挨拶をする? 昼下がりの社内トイレ。隣に上司が来たら、あなたはどんな挨拶をする?

 「こんにちは」はもともと「遊里に行なわれた挨拶語」(前田勇編『近世上方語辞典』)だったともいうから、「公」の場では使われてこなかった歴史があるのかもしれない。

 そんな「こんにちは」に代わる挨拶語として一般の会社では「お疲れさま」がよく使われているようである。実は私も昼間の社内では「お疲れさま」を多用する。これなら「~です」「~でございます」などとバリエーションも豊富だ。むろん、この言い方を嫌がる人もいることは重々承知している。

 辣腕(らつわん)の聞こえが高い某企業経営者もそんな一人なのだろう、5月7日の日経新聞夕刊に「おつかれさま撲滅運動」と題するコラムを載せていた。経営手腕そのままに、筆勢もさすがと思わせるものがあった。

 《「おつかれさま」。これが日本の朝の挨拶なのか! 朝から疲れていたら仕事にならない。朝の挨拶は「おはようございます」、午後に会ったら「こんにちは」だ》。筆者は、低迷していた会社を変革する手始めとして、「おつかれさま」を使うな!との指示を発したのだという。

 その会社では社長や部長などの役職名で呼ぶことも禁じたというから徹底したもので、「お疲れさま撲滅」もそんな社風育成の一環だと思えば、それを傍(はた)からとやかく言う筋合いは全くない。ただ、サラリーマン社会で広く「お疲れさま」が使われていることが私にはそれほど悪いことだとも思えないのである。

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