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【新聞に喝!】中国が「反則タックル」すれば日本の安保は根本から脅かされる 危機に備える報道を 神戸大教授・簑原俊洋

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【新聞に喝!】
中国が「反則タックル」すれば日本の安保は根本から脅かされる 危機に備える報道を 神戸大教授・簑原俊洋

 アジア安全保障会議の昼食会で中国軍事科学院の何雷副院長(右)と握手する小野寺防衛相=2日、シンガポール(共同)  アジア安全保障会議の昼食会で中国軍事科学院の何雷副院長(右)と握手する小野寺防衛相=2日、シンガポール(共同)

 □神戸大学大学院法学研究科教授・簑原俊洋

 シンガポールで本稿をつづっている。同地で毎年この時期に開催されるアジア安全保障会議(シャングリラ対話)という国際会議に出席するためである。今年は参加国および国防相の参加が過去最多となった。基調講演者としてインドのモディ首相が初めて登壇したうえに、史上初となる米朝首脳会談の開催が間近に迫っていることもあり、会議は例年以上に熱気が籠もった。北朝鮮の非核化問題では休憩時間の話題もさらい、参加者の中での関心の大きさを如実に示した。

 一方で今回の会議は、今までになく重い空気にも包まれた。それは国際安全保障の環境が重要な局面を迎えようとしているからであり、主な要因は米国と中国という2大国のふるまいに集約されよう。

 米国は同盟国を軽視し、世界のリーダーとしての責任を全うする意志を喪失している。そして中国は法による支配をないがしろにし、自国に有利な新たな現実の構築に躍起になっている。ともに自らの狭い国益の追求に邁進(まいしん)しており、世界は固唾をのんで米中の行動がもたらす余波を不安視しているのである。

 この国際政治の転換期において、今年は中国と他国との見解の相違がひと際目立った。中国側の参加者は自信を誇示して傲慢な態度を取り、中国の政策を批判する者には容赦ない反論を浴びせる。同国の孤立が増そうとも強気に構える中国人の姿勢は多くの参加者に悲壮感を漂わせ、軍人を除く専門家の間でこの行く末は戦争なのではとの声が聞かれるほどだった。当然、国際政治の方向性をここまで悲観すること自体が尋常ではなく、南シナ海における領有権問題や、さらには露骨な「借金外交」による利権拡大など、深刻な中国外交の現状がひしひしと伝わった。

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