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【正論】「議論の本位」定め大事を論ぜよ 拓殖大学学事顧問・渡辺利夫

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【正論】
「議論の本位」定め大事を論ぜよ 拓殖大学学事顧問・渡辺利夫

 この使節団の実感を一言でいえば、文明国のもつ文明の圧倒的な力であったといっていい。その後の富国強兵・殖産興業政策が、さらには憲法と議会制度が次々とあきれるほどの速さで実現されていったのには、使節団の体得した知恵があったからだといっても過言ではなかろう。明治前半期の富国強兵・殖産興業、すなわち軍事、鉄道、電信、鉱山、造船など近代産業の育成政策の遂行には躊躇(ちゅうちょ)というものがなかった。

 明治27年の日清戦争、明治37年の日露戦争、新政府が生まれてそれほど経過していないこの時期に、清国、ロシアという往時の世界の大国に勝利するまでの力量を日本は身につけたのである。岩倉使節団の派遣という冒険主義的な意思と行動の意味を、私どもはもう一度真剣に見つめなければなるまい。

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