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【正論】気骨ある健全な批判精神を示せ 日本大学教授・先崎彰容

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【正論】
気骨ある健全な批判精神を示せ 日本大学教授・先崎彰容

日本大学教授・先崎彰容氏 日本大学教授・先崎彰容氏

 ≪大人は若者から「見られている」

 今、わが国の主要な言論、とりわけ新聞・雑誌は「不祥事」を論(あげつら)うことに終始している。財務省トップが、性的不始末で陥落しただけではない。昨年2月、学校法人森友学園に対し、国有地を安価に売却したのかどうかをめぐって、議論が紛糾した。さらに財務省の決裁文書の改竄(かいざん)が明らかになり、国税庁長官が辞任する騒動にまで発展した。

 「忖度(そんたく)」という言葉が一躍、流行語になったことも記憶に新しい。さらに、大学の部活動が問題行動を起こし、相手側大学の学生に被害を及ぼしたことから、新聞・雑誌・テレビなどのジャーナリズムは、大学のマネジメント能力を問題視した。

 むろん筆者は一研究者であり、私的な立場から今、この原稿を書いている。そのことを踏まえたうえで、これら一連の「不祥事」から、現在、われわれ国民が何を学ぶべきなのか、一考を促したいと思う。これは文章を書くとき、いつも念頭に置いていることなのだが、われわれ大人は、常に若者たちから「見られている」という意識を持つべきだと思う。

 あまりにも粗雑に粗雑を重ねるマスコミの言葉の氾濫は、大人の権威が地に落ちかねないほどの域に達している。以下は、日々成熟したいと願っている私なりの極めて拙い現状診察である。

 ≪行き過ぎが指摘できる環境か

 たとえば、「忖度」をめぐる不祥事について、歴史界の大物たちの事例を参照しよう。『文芸春秋』2018年5月号では、「安倍政権と旧日本軍の相似形」というタイトルで、半藤一利氏と保阪正康氏、そして若手論客として辻田真佐憲氏が鼎談(ていだん)を行った。

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