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【正論】北の手玉に取られる轍を踏むな 福井県立大学教授・島田洋一

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【正論】
北の手玉に取られる轍を踏むな 福井県立大学教授・島田洋一

島田洋一・福井県立大学教授(宮川浩和撮影) 島田洋一・福井県立大学教授(宮川浩和撮影)

 ≪リビア・モデルを参考にせよ

 今月初め、ワシントン郊外でロバート・ジョゼフ氏と面談した。今やキーワードとなったリビア・モデル。2003年、そのリビアとの詰めの交渉を米側交渉団長として担ったのが、国家安全保障会議(NSC)上級部長だったジョゼフ氏である。当時も今も、ジョン・ボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)とは盟友関係にある。ジョゼフ氏は、自身の交渉を振り返り、次の点を強調した。

 「一歩ごとの取引という発想は論外だ。交渉を複雑化させ、スピードを阻害するだけでなく、非核化のゴールそのものが遠くにかすんでしまう。早く見返りが欲しければ早く非核化を完了せよ。数年ではなく数カ月以内。イエスかノーか。そう迫らねばならない」

 見返りについては、「非核化しテロを放棄すれば、当然、国際社会に家族の一員として受け入れられる」といった一般的約束しか、しなかった。ではリビアの独裁者カダフィは、なぜアメリカの要求を受け入れたのか。ジョゼフ氏は特に次の要因が重要だという。

 (1)経済制裁が徐々に効果を上げていた(2)核関連の闇取引を米英独伊の連携によって洋上で阻止し、情報力と機動的対応力を見せつけ、核開発継続が物理的に困難と思わしめた(3)カダフィへの斬首作戦を示唆し続け、独裁者個人の恐怖心を高めた-。今後トランプ政権は北朝鮮に対し、核・弾道ミサイルの放棄とともに拉致問題の解決をも迫っていこう。

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