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【オリンピズム】嘉納治五郎と幻の東京大会(9)スポーツを通じた相互理解願う

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【オリンピズム】
嘉納治五郎と幻の東京大会(9)スポーツを通じた相互理解願う

 そもそも嘉納がオリンピック・ムーブメントに関わるようになった理由は、大きく分けて3つだった。(1)体育による青少年教育の推進(2)スポーツに内在する友好理念への理解(3)国民体育の推進-。こうした思想があったからこそ、国際オリンピック委員会から国内オリンピック委員会の設立を求められた際、選手の派遣母体としての組織ではなく、国民体育の振興を併せ持った形の大日本体育協会として、国民レベルでの体育・スポーツの奨励、普及も目指した。

 また、東京高等師範学校長時代に、8千人もの留学生を受け入れた嘉納にとってはスポーツを介した青少年の交流による相互発展は、すでに実践済みのことでもあった。当時、米国では日本の満州国政策に批判的で、反日感情もあっただけに、スポーツを通じた相互理解を、嘉納は期待していたであろう。その意味でもロサンゼルスでの選手たちの活躍はうれしかったに違いない。=敬称略(監修 真田久筑波大教授 構成 金子昌世)

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