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【主張】新潟女児殺害 悲しい事件を防ぐために

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【主張】
新潟女児殺害 悲しい事件を防ぐために

 新潟市で無残に殺害され、線路上に遺棄された7歳の少女には、将来、デザイナーになる夢があったという。そうした未来を断ち切る残酷で許し難い犯行である。

 死体遺棄と死体損壊の疑いで逮捕された容疑者は、被害少女の自宅からも、遺棄現場からもごく近くに住む、23歳の男だった。まじめでおとなしかったという評判とは裏腹に、4月には別の未成年者に対する県青少年健全育成条例違反容疑で書類送検されていた。

 逮捕に至らぬ事案で報道発表もなく、近所の住民も、その事実を知らなかった。情報が共有されていれば、事件は防げたのではないか。極めて残念である。

 13歳未満の被害者に対する性犯罪で服役した出所者については、法務省が警察庁に情報を提供し、地元の警察本部、警察署が定期的に所在を確認する出所者情報提供制度がある。だが服役に至らなかった事案は対象とならない。

 米国では全州で、性犯罪者は顔写真と個人情報がネットで公開される。韓国では13歳未満の児童に対する性暴力犯罪者に衛星利用測位システム(GPS)の足輪を装着することが義務づけられ、成果が上がったことから、現在では未成年者誘拐、殺人、強盗などに罪種を拡大させている。

 特定の前科前歴者に対するGPSの装着は、米国の多くの州や英国、フランス、ドイツなどでも実施されている。

 国内でも宮城県が性犯罪の前歴者や家庭内暴力(DV)加害者らにGPSの携帯を義務づける条例制定を目指したが、県議会での議論が白熱した平成23年3月、東日本大震災が発生し、復興を優先させるためとして議論は打ち切りとなった。橋下徹知事時代の大阪府も、同様の条例制定を検討したことがある。

 こうした措置の導入には、必ず強い反対がある。前歴者の人権侵害や更生への妨げ、監視社会につながる等の理由による。

 だが、まず守られるべきは何の罪もない、幼い被害者である。子供をはじめとする社会的弱者は、徹底的に守るべきである。またGPSの装着は、再犯の抑止にも期待が大きい。前科前歴者自身を守ることにもつながる。

 悲しい事件が起きるたびに再発防止策が検討される。だが実行に移さなくては子供を守れない。

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