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【正論】猛烈な圧力こそ北を譲歩させる 杏林大学名誉教授・田久保忠衛

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【正論】
猛烈な圧力こそ北を譲歩させる 杏林大学名誉教授・田久保忠衛

外交評論家・杏林大学客員教授の田久保忠衛氏  外交評論家・杏林大学客員教授の田久保忠衛氏 

 最近とくに目をひいた文章の一つは、著名コラムニストのトマス・フリードマン氏がニューヨーク・タイムズ紙に書いたもので、米中間の貿易摩擦は単なるいさかいではなく、世界で最も古い超大国と最も新しい超大国間の、経済および権力関係を定めた現行ルールを改めるかどうかの争いになっているという指摘だ。

 もう一つは米外交問題評議会のアジア研究部長、エリザベス・エコノミー女史がフォーリン・アフェアーズ誌に発表した論文だ。簡単に言えば、自由世界において非自由国家が自分のルールを押し通そうとして、世界中で評価を落としているとの分析と提案である。

 一方は経済的、他方は政治的視点からそれぞれ考察しているのだが、両者に共通しているのは、中国が現秩序の恩恵を十分に受けて超大国に発展しながら、その秩序に従う義務感が欠落しているとの認識だ。従って対症療法では米中関係の改善は図れぬほど深刻だ。

 米朝首脳会談が開かれた結果、事態がどう進んで行くのか予測の限りではないが、査察一つ取っても北朝鮮のような地形の査察は時間がかかるだろう。北朝鮮の石油輸入の大部分を占める中国の役割は良くも悪くも増大する。交渉いかんでは対北制裁措置の緩和に傾く国が出てきてもおかしくない。安倍外交の出番は尽きない。(たくぼ ただえ)

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