産経ニュース

【日曜に書く】荻村伊智朗ありせば…なぜスポーツはルールを定めているのか 論説委員・佐野慎輔

ニュース コラム

記事詳細

更新

【日曜に書く】
荻村伊智朗ありせば…なぜスポーツはルールを定めているのか 論説委員・佐野慎輔

4日の世界卓球団体戦女子準決勝、南北合同チーム「コリア」戦の第2試合でキム・ソンイに競り勝ち、感極まる石川佳純=ハルムスタード(共同) 4日の世界卓球団体戦女子準決勝、南北合同チーム「コリア」戦の第2試合でキム・ソンイに競り勝ち、感極まる石川佳純=ハルムスタード(共同)

 ルールの持つもうひとつの意味、国際卓球界を統治する者による抑制にほかならない。

 国際スポーツ界は2月の平昌冬季オリンピックでも、同じことを行い、批判を浴びた。国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長が主導した女子アイスホッケーでの南北合同チーム結成である。

前のめりのトーマス

 孤立する北朝鮮が平昌大会前に流した融和ムードは、狙い通りに国際社会の空気を変えつつある。IOCやITTFなど、すっかり取り込まれた。

 バッハ氏は3月末に北朝鮮を訪問。金正恩朝鮮労働党委員長から2020年東京、22年北京冬季両大会参加を取り付け、「北朝鮮選手の参加を積極的に支援する」と述べた。しかし、そこには拉致問題の進展もみず、依然、核の不安が続く開催国・日本への忖度(そんたく)はない。

 なぜ、バッハ氏もワイカート氏も、「機関車トーマス」よろしく、これほど朝鮮半島問題に前のめりに走るのか。

 ふたりのトーマスはともにドイツ出身。東西冷戦時代の分断国家の選手である。自分たちの感じた悲哀をもうこれ以上、南北の選手に味わわせたくないとの思いもあるかもしれない。しかし、個人の感傷と国際機関のトップとしての行動は同じであっていいはずはない。

続きを読む

関連ニュース

「ニュース」のランキング