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【正論】トランプ流貿易戦争への対応策 双日総合研究所チーフエコノミスト・吉崎達彦

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【正論】
トランプ流貿易戦争への対応策 双日総合研究所チーフエコノミスト・吉崎達彦

双日総合研究所チーフエコノミスト・吉崎達彦氏 双日総合研究所チーフエコノミスト・吉崎達彦氏

 殿ご乱心!とでもいうのだろうか。トランプ米大統領の暴走が止まらない。3月1日に鉄鋼・アルミの追加関税をぶち上げたあたりから、奔放な動きが続いている。

≪関税を使う発想自体が時代錯誤≫

 3月22日には中国による知的財産権侵害への報復措置として、最大で600億ドルの対中輸入に対して関税を課すと発表した。税率は25%というから、単純計算でも日本円で1・5兆円程度が新たに課税されることになる。日本では関税による歳入は年間でも1兆円前後だ。たばこ税よりは多いが、酒税よりは少ない程度である。それに比べると、トランプ大統領の言い値はかなりの大風呂敷である。

 しかも関税によるコスト増は、米国の消費者が負担することになる。米国の国内総生産(GDP)規模から考えれば影響は軽微とも言えるが、今どき関税を使って通商環境を変えようという発想自体が、いささか時代錯誤的と言わざるを得ない。

 中国の貿易慣行に問題があることは、多くの国が認めている。米国がこんな単純な方法で「中国たたき」に走ると、第三国を中国の側に追いやってしまいかねない。本来ならば多国間で連携し、もっと粘り腰で不当な貿易慣行の是正を迫るべきなのだが、そういうやり方はトランプ大統領のお好みではないらしい。

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