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【正論】読解力を鍛え未来に対処しよう 筑波大学大学院教授・古田博司

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【正論】
読解力を鍛え未来に対処しよう 筑波大学大学院教授・古田博司

ソウル拘置所に到着した韓国の前大統領、朴槿恵容疑者(右から2人目)を乗せた車(聯合=共同) ソウル拘置所に到着した韓国の前大統領、朴槿恵容疑者(右から2人目)を乗せた車(聯合=共同)

≪「記録」をどう読めばよいのか≫

 人は『聖書』や『源氏物語』を世界の名著だという。私はむしろ人類最大の「記録」だと思う。私にとっては本も、雑誌も、新聞も、論文も、ウィキペディアも全部平等に過去の「記録」である。理系の本も時々読むが、全部今ある現象の結果から、論理や実験で原因へと遡(さかのぼ)って因果ストーリーを作ったものだからみんな歴史学であり、読むときは「記録」である。

 次に問題なのは読解力である。「記録」はどう読めば読解力がつくのか。体験的に言って、その記録の書かれた時代に自分の体内時間を同期させるのがよいと思う。

 具体的に考えてみよう。旧約聖書を例にとる。「神様なんかいない」「預言者なんかウソだ」とか言わない。まずその記録の書かれた時代の人々の因果ストーリーを尊重して乗ってみる。「神様が預言者を通じて未来を告知する」という因果ストーリーである。

 ここに自分の体内時間をシンクロさせる。簡単である。今のように生きてみればよいのだ。そうすると、神様から預言者にされた者が、まずとる行動は逃げ出すことだと分かる。モーセも、ヨナも、ウリヤもみんな逃げる。逃げると神様が追いかけてきて殺されそうになる。何とか納得しても、今度は嫌なことをさせられる。禍(わざわい)の未来を告げて人々から嫌われる。

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