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【イタリア便り】羊に受難の復活祭

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【イタリア便り】
羊に受難の復活祭

 4月1日は復活祭(イースター)である。はりつけにされたイエス・キリストが3日目に復活したことを祝うキリスト教徒にとってクリスマスと同じくらい大事な祝日だ。自分の宗教とは関係なく、クリスマスでもバレンタインでもなんでも取り入れ商売に結びつける日本人でも、年ごとに月日が変わる移動祭日の復活祭だけは商売とあまり結びつけずに敬遠しがちだ。「春分の日の後の最初の満月の次の日曜日」と決まっているため、春分にも満月にも興味のない最近の日本人には手の出しようがない。もっとも、キリスト教徒だって毎年カレンダーを見て知るわけだから同じである。

 復活祭前の週は信者にとっては大切な教会での行事が並ぶ。キリストが12人の弟子と一緒に食卓につき、謙譲を教えるため弟子たちの足を洗ってから最後の晩餐(ばんさん)をしたことを想起する洗足木曜日、キリストが十字架を背負わされてゴルゴダの丘ではりつけにされたことを思い出す聖金曜日、そして3日目の日曜日に復活したことを祝う復活祭と続くわけだ。

 各国ともに、この祭日の特別な食べ物があって、イタリアではハトの形の菓子パン「コロンバ・パスクワーレ」のほか、食卓には秋に生まれちょうど食べ頃になった子羊のローストが並ぶ。羊にとっては受難の祭日だ。(坂本鉄男)

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