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【正論】米中に横たわる言い知れぬ不安 杏林大学名誉教授・田久保忠衛

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【正論】
米中に横たわる言い知れぬ不安 杏林大学名誉教授・田久保忠衛

習近平国家主席=5日、北京の人民大会堂(共同) 習近平国家主席=5日、北京の人民大会堂(共同)

 ハドソン研究所中国戦略センター所長のマイケル・ピルズベリー氏は3年前に「チャイナ2049」を出版した。親中派であった彼が100年の単位で世界の覇権をもくろんでいる中国を見誤ったとの反省の書だが、共和党系のピルズベリー氏と民主党系のキャンベル氏の中国観の基調は一致してきたように思われる。

 「中国の評価」の中に、「米政策立案者や学者は、ソ連が米国との軍拡競争に巻き込まれたときの損失について貴重な教訓を中国は学んだと考えた」との記述がある。果たしてそうであろうか。今の中国は冷戦が終わる15年ほど前のソ連に似ている。東シナ海、南シナ海、インド洋に軍事進出し、一帯一路構想でユーラシア大陸全体に経済的影響を拡大しつつある。経済を政治、軍事的影響力に転化するため、過大な負債を負った国の港湾などの自然のアセットを次々手にしていく「債権帝国主義」の全容が明らかになり始めた。

 1970年代にベトナム、ラオス、カンボジア、アンゴラ、モザンビーク、南イエメン、エチオピアなどへの軍事的、経済的進出でソ連は得意の絶頂にあった。その後、米国を中心とした西側全体の軍事力との競争に入ったソ連は、ついに経済が軍事費の負担に耐えきれなくなって崩壊する。

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