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【正論】米中に横たわる言い知れぬ不安 杏林大学名誉教授・田久保忠衛

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【正論】
米中に横たわる言い知れぬ不安 杏林大学名誉教授・田久保忠衛

習近平国家主席=5日、北京の人民大会堂(共同) 習近平国家主席=5日、北京の人民大会堂(共同)

 ただし、民主主義国にはこのような混乱は起こり得る。言論、集会、結社の自由を規制できる一党独裁国家の中国では国内のトラブルは表面には現れにくい。国際的不安は、習主席が一昨年に「党の核心」の地位を掌握し、自分の名を冠した指導思想を昨年、共産党規約に明記し、先の全国人民代表大会(全人代)では任期制限を持った憲法を改正した-一連の行動によって募る一方だ。「習王朝」はスタートを切った。

≪ソ連に似る「債権帝国主義」≫

 米フォーリンアフェアーズ誌に、東アジア・太平洋担当国務次官補だったカート・キャンベル氏が外交関係評議会の中国問題研究員パトナー氏と共同で「中国の評価-北京はいかに米国の期待を裏切ったか」を書いている。一言で内容を紹介すれば、ニクソン訪中以来の米国による「期待」と中国の「現実」の間には縮めることのできない開きがある、に尽きる。

 結論として両者は、米国がアジア戦略の目標に中国を孤立させるとか弱体化させるとか、改善に向けて変革するなどを掲げるべきではないと説く。重点を置かなければならないのは、自国、同盟国、友好国の影響力と行動力の強化であり、まず、期待がいかに現実と距離があるかを認識すべしという。

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