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【石平のChina Watch】「新皇帝」の「即位」

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【石平のChina Watch】
「新皇帝」の「即位」

中国の習近平国家主席。改憲案で「独裁体制」をさらに固めつつある=今年1月、中国・北京(AP) 中国の習近平国家主席。改憲案で「独裁体制」をさらに固めつつある=今年1月、中国・北京(AP)

 先月25日、中国共産党中央委員会が全国人民代表大会に対し、「憲法改正案」を提出した。このニュースが新華社通信によって配信されると、中国国内のみならず世界各国に衝撃を与えた。

 衝撃だったのは、「憲法改正案」において中国国家主席の任期であった「2期10年」の制限が撤廃されたことだ。毛沢東・終身独裁体制の弊害への反省から確立されたトウ小平時代のルールがこれによって破られ、習近平国家主席が毛沢東同様の終身独裁者となる道が開かれたからだ。

 それでは中国がかなり危険な方向へと向かうのではないか、との懸念が一気に広がったが、その懸念に一層拍車をかけたのは、この件に関する習政権の強引な進め方だ。

 まず不思議に思われるのは、上述の「憲法改正案」が発表されたタイミングだ。共産党中央委員会の名義による「改正案」が発表されたのは2月25日であったが、実はその翌日の26日から、当の中央委員会が全体会議(共産党第19期中央委員会第3回全体会議=3中全会)を開いた。中央委員会が開かれる前日に同委員会名義の「改正案」が発表されるとはいかにも奇妙なことである。これに対する最も合理的な解釈は、習近平指導部が「憲法改正案」への中央委員会の反発を恐れて、わざと中央委員会開会の前日にそれを発表し、既成事実として中央委員会に押し付けようとしたということだ。

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