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【日曜に書く】「或る経済的○○」が残る 論説委員・清湖口敏

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【日曜に書く】
「或る経済的○○」が残る 論説委員・清湖口敏

 英語における経済的優位性を如実に物語っていよう。わが国の一部企業が英語を社内公用語としているのも、つまるところ経済重視の表れだろう。

 “言語交代”は情報通信分野でも起きている。小紙「正論」メンバーの一人、楊海英・静岡大教授は昨夏、ニューズウイーク誌(日本語版)で、カザフスタンがカザフ語のロシア文字表記をやめ、ローマ字表記に移行し始めたと紹介した。大統領は2025年にローマ字に完全移行させる方針まで示している。「ロシア文字にとって致命的なのは、ソーシャルメディアに慣れ親しむ若者に不人気なことだ」と楊氏は指摘する。

 ◆日本語存亡の危機

 情報通信技術の発達は、日常の日本語の中にカタカナ語を氾濫させたが、それでも助詞などによって膠着(こうちゃく)する日本語の基本構造は健在である。しかし経済や情報通信での優位性に傾くあまり、日本語を捨てて英語に走る若者が急増するとしたら、それこそ日本語は存亡の危機を迎える。「『嬉しい』と『嬉しむ』」「『悲しい』と『悲しむ』」の相関も、文法として習わないことには理解できない日本人が、そのうちきっと多数派になっていくのに違いない。

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