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【日曜に書く】「或る経済的○○」が残る 論説委員・清湖口敏

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【日曜に書く】
「或る経済的○○」が残る 論説委員・清湖口敏

 娘が小学1、2年の頃、「あの子はいつも嬉(うれ)しんで体操している」などと言うのを耳にし、「嬉しむ」という言葉はない、「嬉しがる」と言いなさいと注意した。後に「嬉しむ」という古語があることを知ったが、これを現代で使うのはさすがに違和感が強いだろう。

 ◆日本人のDNA

 娘が「嬉しむ」を使ったとき、実は内心で喜んだものである。「『嬉しい』と『嬉しむ』」「『悲しい』と『悲しむ』」といった感情語彙の形容詞と動詞とが照応する日本語の派生構造を、娘は誰に教わるでもなく自然に会得していると思ったからだ。これぞ日本人の国語のDNAに違いなく、このDNAが後の世代にも継承されていく限り、言葉遣いは少々乱れようが、日常語から「日本語」が消えることは絶対にないと確信できたのだった。

 だがそんな確信も今から思えばまるで“呑気(のんき)節”だ。日本の人口減少で日本語話者が少数になってしまうからか?もちろんその懸念もなしとはしないが、人口が半分に減ったところで国民が日本語を使い続ける限り、日本語は消えないだろう。

 危機はむしろ、現在の国内の風潮、ありていに言えば過度の英語熱に兆している。

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