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【正論】大国間競争は「細部」が左右する 京都大学大学院教授・中西寛

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【正論】
大国間競争は「細部」が左右する 京都大学大学院教授・中西寛

京都大学大学院の中西寛教授 京都大学大学院の中西寛教授

 昨年末から年初にかけて、トランプ政権は安全保障関連の基本文書を相次いで公表した。

 全体として混乱状態が続くトランプ政権にあって「国家安保戦略」「国防戦略」「核態勢見直し」といった文書が意外なほど円滑に公表されたことは、軍出身者が政権の中枢を担い、大きな影響力を有していることを物語るものであろう。

 ≪リアリズムだけでは不十分≫

 これらの文書が強調するのは、国際政治において冷戦終焉(しゅうえん)後の自由主義的な協調の時代が終わり、大国間競争に復帰したという世界観である。具体的には中国およびロシアを冷戦期のような敵とまでは言わないまでも、競争相手と見なす観点である。

 「国家安保戦略」は「ライバルへの関与と国際制度およびグローバルな通商への取り込みが彼らを良心的な主体や信頼できるパートナーに変える」という過去20年間の思い込みを批判し、競争関係を前提とした政策への転換を訴えている。こうした見方はトランプ大統領だけでなく政権全体のコンセンサスだといえるだろう。

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