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【主張】裁量労働制 実施延期で議論を深めよ

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【主張】
裁量労働制 実施延期で議論を深めよ

 働いた時間に関係なく賃金が支払われる裁量労働制で厚生労働省の調査データ比較に誤りが見つかり、それを引用した国会答弁を安倍晋三首相が取り消して謝罪した。

 首相が最重要法案と位置づける働き方改革関連法案では、裁量労働の適用業種の拡大も盛り込まれている。不適切なデータ使用は、法案の正当性を揺るがしかねない深刻な事態だ。あまりに杜撰(ずさん)というほかない。

 政府は「性格が異なるデータを不適切に比較したもので、調査そのものは誤りではない」として再調査に否定的である。

 だが、客観性のあるデータを提示することは何よりも重要だ。丁寧な説明を欠くような姿勢では国民の理解は得られまい。

 首相は1月の衆院予算委で厚労省の調査を取り上げ、「裁量制で働く人の労働時間の長さは、一般労働者よりも短いデータもある」としていた。ところがこのデータは、裁量制で働く人と一般労働者の労働時間を異なる方法で調査していたことが判明した。

 首相答弁は「裁量制は長時間労働を助長するのではないか」という野党の批判に反論するためだった。前提が違うデータで両者を比較しており、答弁の撤回は当然である。答弁を作成したという厚労省も責任は免れない。

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