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【正論】日本人の意識を覚醒させる時だ 文芸批評家・都留文科大学教授・新保祐司

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【正論】
日本人の意識を覚醒させる時だ 文芸批評家・都留文科大学教授・新保祐司

文芸批評家・都留文科大学教授・新保祐司氏(瀧誠四郎撮影) 文芸批評家・都留文科大学教授・新保祐司氏(瀧誠四郎撮影)

≪意義深さを感じさせた演奏会≫

 2月2日、大阪で交声曲「海道東征」の演奏会が開かれた。平成27年11月の復活公演、28年10月の公演に続いてのものである。東京や川崎でも演奏され定着してきたといえるであろう。

 神武天皇の東征と即位を謳(うた)いあげた交声曲が、2月11日の「建国記念の日」に近い日に演奏されたことは意義深いことである。

 この日の演奏会は、前半がモーツァルトの交響曲第41番「ジュピター」であり、後半が交声曲「海道東征」であった。この2曲を続けて聴くことは、深く考えさせるものを持っていた。これまでの公演では、ベートーベンの交響曲第5番「運命」との組み合わせで聴くことが多かったが、そのときも感じていたものが今回のモーツァルトの音楽によってはっきりと意識にのぼってきたようであった。

 それは、西洋と日本の問題である。この交響曲は、モーツァルトの最後の交響曲であり、古典的な作風の最高傑作である。西洋というものをある意味で完璧に体現している。「ジュピター」という後世の呼称は、この曲が王者のごとき壮大な風格を持つことから付けられたものであろう。

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