産経ニュース

【国語逍遙】(94)清湖口敏 広辞苑 国民的な「国語辞典」たれ

ニュース コラム

記事詳細

更新

【国語逍遙】
(94)清湖口敏 広辞苑 国民的な「国語辞典」たれ

岩波書店の辞書「広辞苑」第七版 岩波書店の辞書「広辞苑」第七版

 そもそもこれらの項目は国語ではなく百科の部類に属する。広辞苑は、国語と百科を兼ね備えた辞書を標榜(ひょうぼう)するが、誤記に加え、恣意(しい)的とも思える表記があちこちに目につく状態で、はたして百科事典として信頼に足るのだろうか。

 史実でない日本軍の“蛮行”を詳述する一方で広辞苑は、「拉致」については「むりに連れて行くこと。らっち」と記すのみである。日本国民にとって目下の最大関心事である「拉致事件」には見出しはおろか本文での言及も一切ない。

 「キム・ジョンイル」(金正日)の項でも、彼の経歴に加えて「名実ともに最高指導者の地位にあった」などと書くだけで、金正日自身が公式に認めた北朝鮮の国家的犯罪「日本人拉致」には、1文字たりとも触れようとしない。

 百科項目に関して「第七版の序」は「現在に相応(ふさわ)しい新項目の追加を行った」とうたうが、拉致事件を採録しないで「現在に相応しい」とは、いかなる了見なのだろう。「国民的」辞書とはとても呼べまい。

 -さて、ここからは「百科事典」ではなく、「国語辞典」としての広辞苑に話頭を転じたい。

続きを読む

「ニュース」のランキング