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【別府育郎のスポーツ茶論】松井秀喜と金本知憲 殿堂入りスラッガー2人の奇縁

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【別府育郎のスポーツ茶論】
松井秀喜と金本知憲 殿堂入りスラッガー2人の奇縁

松井秀喜氏(撮影・戸加里真司) 松井秀喜氏(撮影・戸加里真司)

 授賞式は13年5月5日、東京ドームで行われた。印象に残るシーンがある。

 スポットライトを浴び、オープンカーで場内を一周したときのことだ。

 長嶋さんは不自由な右手をポケットに入れたまま、満面の笑みでスタンドに左手を振り続けた。その横で、松井もまた左手だけを振り続け、一度も右手は出さなかった。

 本人に、真意を質(ただ)したことがある。

 「そうですね。意識しました。監督が体調を崩され、リハビリのすごい努力を重ね、これだけ元気になられたんだと日本中の方が思ってくれればいいなと、それが際立つような形になってほしいと、常々思っていましたから」

 殿堂入りが決まった金本は、通知式に出席するため野球殿堂博物館に赴いた。真っ先に報告をした相手は、昨年殿堂入りを果たし、今年はじめに亡くなった、星野仙一さんのレリーフだった。

 FA宣言した金本を阪神に口説き落とし、監督と主砲の立場でペナントを手にした師弟である。

 神妙に「面と向かって報告したかった」と語る金本に、また左手を振り続けた松井の姿が重なるよう思えるのだった。

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