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【風を読む】求められるのは、かっこいい制服よりも… 論説副委員長・沢辺隆雄

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【風を読む】
求められるのは、かっこいい制服よりも… 論説副委員長・沢辺隆雄

東京都中央区立泰明小学校が導入することになったアルマーニデザインの標準服(中央区教育委員会提供) 東京都中央区立泰明小学校が導入することになったアルマーニデザインの標準服(中央区教育委員会提供)

 学校では日々いろんなことが起きる。教育問題には皆、一家言あり、自分が通った頃などと比べ百家争鳴になることも。

 東京・銀座にある区立の泰明小学校が高級ブランド・アルマーニのデザイン監修による新しい標準服(制服)に「衣替え」する問題は、国会でも取り上げられた。

 同校は明治11年創立の歴史ある学校として知られる。都内の公立小では珍しく制服姿で子供たちが通っている。

 問題になったのは新標準服の価格が高く、買えない人もいるのではとの懸念から。現在は帽子など合わせ2万円以下だが、約2・5倍になるという。

 お出かけにも着られるし、毎日子供に何を着せようか迷わなくていいし、アルマーニならお得では。と思ったが、教育問題担当としてそれで済ませていいのと同僚に白い目でみられた。

 セーターなどを合わせると8万円にもなるというので、麻生太郎副総理兼財務相も「結構高いもんだな」と驚いた。これも無償化というわけにはいかない。林芳正文部科学相は「いろんな考え方があっていいと思うが、みんなが納得の上で進んでいくことが望ましい」とあたりさわりのない答弁をした。 少子化の中、同校がある中央区は一定の条件で学区外からの児童を受け入れる特認校制度があり、泰明小は多くが学区外から通っている。新標準服には、銀座の歴史や文化を踏まえた校風を意識し、さらに一体感を高めるなどのねらいがあるようだが、保護者らへの周知と理解が十分でなかった。

 おしゃれな制服に変えて偏差値がアップしたという私立校もあるが、教育内容など改革の理念が伴ってのことだろう。

 7日付の本紙教育コラム「解答乱麻」で教育評論家の石井昌浩氏は「学校はそもそも何をする所か」と、学校の根幹をなす教科を教える機能が衰え、塾への「外注化」が進んでいる現状を憂えていた。

 公立も教育の特色を競う時代だが、保護者らが何より求めるのはかっこいい制服より先生たちの教える力の向上だろう。

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