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【日曜に書く】祝・オキノタユウの完全復活 〝人間の欲望〟で絶滅寸前に追い込まれた「悲しい歴史」とは 論説委員・長辻象平

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【日曜に書く】
祝・オキノタユウの完全復活 〝人間の欲望〟で絶滅寸前に追い込まれた「悲しい歴史」とは 論説委員・長辻象平

ついに5千羽を突破

 今回の第123回調査で、長谷川さんは昨年11月26日から12月9日まで鳥島に滞在した。

 島には3カ所のコロニーがあり、昨年より84組多い、921組の繁殖つがいが各1個の卵を温めている最中だった。

 卵は1月の終わりごろまでに孵化(ふか)するが、大雨で土砂が巣に流れ込むなどすると卵やヒナの死につながる。

 無事にヒナが育つ繁殖成功率が最近2年の平均と同じ63%だとすると5月の巣立ちによって580羽が、鳥島のオキノタユウ集団の構成員として新規参入することになる。

 オキノタユウは3歳になるまで鳥島に戻ってこないので、この洋上生活群の個体数や、つがいの個体数などを加えた数に、成鳥の死亡率を組み込んだ精密な計算結果から全個体数は「5055羽」の数値を得た。また今秋には、新たに繁殖年齢に達する個体も増えて「千組」のつがいが形成される見通しだ。

 長谷川さんによると鳥島のオキノタユウ集団の繁殖は、初期に長く微増を続け、その後は急激な伸びに転じる指数関数的な復活曲線に乗ったようだ。

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