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【正論】貴乃花は「忠実義務違反」なのか 印象操作のため概念が利用された印象強い 早稲田大学教授・上村達男

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【正論】
貴乃花は「忠実義務違反」なのか 印象操作のため概念が利用された印象強い 早稲田大学教授・上村達男

早稲田大学教授・上村達男氏 早稲田大学教授・上村達男氏

 マスコミを賑(にぎ)わせた貴乃花親方をめぐる一連のやり取りの中で、「忠実義務違反」という言葉が多用された。が、それを使用している人々が意味を理解したうえで使用しているのか、甚だ怪しい。

≪「影響を与えた」元検事の見解≫

 日本相撲協会の八角理事長は、貴乃花親方の理事解任を評議員会に提案すると決めた理事会後の記者会見で、貴ノ岩のケガを知った直後に協会にその内容を報告しなかったことについて、「このような報告懈怠(けたい)は理事としての忠実義務に著しく反する」と述べた。

 さらに、その解任を決めた評議員会の後に池坊保子議長も、報告義務を怠り危機管理委員会の調査への協力を拒否したことは「公益法人の役員としては考えられない行為で、忠実義務に大きく違反している」と語ったとされる。

 八角理事長も池坊議長も法概念には疎いと思われるが、それだけに元検事である高野利雄危機管理委員長の「このような報告懈怠は理事としての忠実義務に著しく反するという判断をしました」との見解が、事実上、大きな影響を与えたものと思われる。

 しかし、例外はあるものの刑事事件を専門とし、大抵は民事不介入を旨とする検察官は、英米法由来のこうした概念はもっとも不得意なのが通例だ。今回もその限界が露呈したのではないか。

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