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【主張】NAFTA再交渉 「多国間」復帰の試金石だ

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【主張】
NAFTA再交渉 「多国間」復帰の試金石だ

 トランプ米大統領は独善的な通商戦略を修正するつもりがあるか。

 これを見極める上で、米国がカナダ、メキシコと再交渉中の北米自由貿易協定(NAFTA)は重要な意味を持とう。

 1月末の交渉では、自動車分野でカナダが妥協案を示したが米国は拒んだ。溝は大きく、着地点はみえない。3月末を目指した妥結はずれ込むとみられている。

 先のダボス会議で、トランプ氏は米国第一とは孤立主義ではないと訴えた。多国間協調の必要性を認識した表れかもしれない。自らの言葉を行動で証明すべきだ。

 NAFTAは本来、公正で互恵的な自由貿易の枠組みである。それを堅持することは、米国第一主義と何ら矛盾しないだろう。

 離脱をちらつかせて恫喝(どうかつ)する手法は捨て去るべきだ。強引に再交渉に持ち込んだ米国には、現実的な歩み寄りを図る責務がある。

 トランプ氏は人件費の安いメキシコに工場が移って雇用が奪われたとし、NAFTA再交渉を公約の最上位に位置付けてきた。関税がゼロになる条件を定めた原産地規則を変更し、米国産の自動車部品を多く買うよう求めている。

 もっとも、NAFTAの恩恵は域内で生産網を築く米企業も享受している。米産業界が離脱について「重大な過ち」と反対していることを重く受け止めるべきだ。

 11月の米中間選挙に向けて「雇用を守れ」という強固な岩盤支持層をつなぎ留めようとするあまり、強硬姿勢を強めるようなことがあってはならない。

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