産経ニュース

【産経抄】冬の朝は布団から出たくない 1月31日

ニュース コラム

記事詳細

更新

【産経抄】
冬の朝は布団から出たくない 1月31日

 毎朝、布団から出るのがつらい。気象情報会社が数年前、冬の朝、目覚めてから布団を出るまでの時間について、アンケートを行ったことがある。全国平均は、13・3分だった。都道府県別ではやはり、暖かい西日本で短かった。

 ▼日本列島に居座る寒波は、一向に衰える気配がない。北日本では積雪が続き、吹雪で見通しの悪いところも増えている。日本海側の一部地域では、凍結による水道管の破損が相次いだ。新潟県佐渡市では、島全体の半数近くになる1万世帯余りが断水となり、自衛隊による給水活動が行われた。せっかく布団から抜け出せても、トイレが使えず、顔も洗えないとなると、お手上げである。

 ▼布団は、俳句では冬の季語となる。〈嵐雪(らんせつ)にふとん着せたり雪の宿〉。与謝蕪村も布団の句を作っている。嵐雪とは、松尾芭蕉門下の俳人、服部嵐雪を指す。〈蒲団(ふとん)着て寝たる姿や東山〉。江戸から京都にやって来た嵐雪は、こんな句を詠んでいる。東山の峰々が、蒲団をかぶった人のように見えたというのだ。蕪村の作品は嵐雪の句のパロディーといえる。

 ▼嵐雪の代表作といえば、この一句だろう。〈梅一輪一輪ほどの暖かさ〉。早春の句として解釈されることが多い。実は「寒梅」の前書きがあり、冬の句である。昨日の朝、出勤途中で近所の庭に梅の花が咲いているのを見つけた。

 ▼確かに、紅梅は凜(りん)とした美しさを誇っているものの、暖かさを感じるにはほど遠い。明日からあさってにかけて、関東地方でも再び降雪の予報が出ている。

 ▼先週の雪の夜、不覚にも凍った路上で尻餅をついた。翌朝痛みに耐えかねて、杖(つえ)を頼りに整形外科医院にたどり着くと、受付は、3時間待ちであった。皆さま、どうぞ、ご用心を。

「ニュース」のランキング