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【蔭山実のスポーツ茶論】科学が伝えるストーリー 「スタットキャスト」がティーンエージャーの野球人気呼んだ

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【蔭山実のスポーツ茶論】
科学が伝えるストーリー 「スタットキャスト」がティーンエージャーの野球人気呼んだ

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 野球を科学するにもいろんな角度があるが、一方で非常に興味深かったのが、昨年12月、慶大のキャンパスで開かれた特別展「近代日本と慶應スポーツ」で公開された慶大野球部元監督、前田祐吉氏の生前の“野球ノート”であった。

 「緩い球ほど精魂を込めよ。球速の変化こそ投手の技術」「遠投で肩が強くなるか。角度が違う。同じ努力なら時間の無駄」「一定の水準に達した選手が明らかに体力を増したとき、技術の壁を破る」…。

 1985年当時、講演を控えて作成したもので、既成の概念に疑問を投げかけ、その答えを見いだそうとしている。「よい回転よりも不安定な回転の投球」「上からではなく、ある角度で下から打つ打撃」。大リーグでいまや当たり前の技術を30年以上も前から主張し、指導してきた。東京六大学野球のリーグ戦で慶大の試合を見ると、その成果がいまもうかがえる。

 観戦のためのデータはトレーニングの評価として選手の目線でも利用できる。遅まきながら前田氏の思い描いた野球が日本にも広まりつつあるようだ。

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