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【主張】iPS論文不正 山中伸弥氏の「一心」を失ってはならない

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【主張】
iPS論文不正 山中伸弥氏の「一心」を失ってはならない

22日の記者会見で目を閉じる京大iPS細胞研究所の山中伸弥所長=京都市 22日の記者会見で目を閉じる京大iPS細胞研究所の山中伸弥所長=京都市

 京都大のiPS細胞研究所(山中伸弥所長)で36歳の助教の論文に捏造(ねつぞう)と改竄(かいざん)があったことが明らかになった。

 iPS細胞は、さまざまな臓器や組織の細胞に分化できる万能細胞の一種で、開発者である山中氏は2012年にノーベル医学・生理学賞を受賞している。

 従来の医療では困難な難病の治療に道を開く可能性があり、多くの患者がiPS細胞による再生医療の実現を待ち望んでいる。それだけに、今回の論文不正は極めて残念であり、重く受け止めなければならない。

 STAP細胞の理化学研究所、東京大分子生物学研究所の教授による論文不正など、日本を代表する研究機関で不正が相次ぐなかで、京大でも、それも国民の期待と注目度の高いiPS細胞研究所で同様の不正が起きた。

 同研究所は実験ノートの提出など不正防止の対策を講じていたが、山中氏は「不十分だった。無力感を感じている」と述べた。

 問題の助教は「論文の見栄えを良くしたかった」と説明したという。成果に過度にとらわれる風潮が大学や研究機関に蔓延(まんえん)し、研究者の良心を歪(ゆが)めていると考えなければならない。

 大学や研究機関には当然、再発防止策の強化が求められる。しかし、現代の科学は研究分野が細分化し、対策を強化したとしても完璧なチェック体制を構築するのは困難である。

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