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【主張】施政方針演説 中国の脅威に言及足りぬ

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【主張】
施政方針演説 中国の脅威に言及足りぬ

1月22日に衆院本会議で施政方針演説する安倍晋三首相=国会(斎藤良雄撮影) 1月22日に衆院本会議で施政方針演説する安倍晋三首相=国会(斎藤良雄撮影)

 わが国が抱える難問を率直に語り、答えを提示する。それがリーダーの責務である。安全保障上の課題でも同様だ。

 安倍晋三首相は施政方針演説で、核・ミサイル開発を進める北朝鮮を「重大かつ差し迫った脅威」と指摘し、その計画を放棄させ、拉致問題を解決すると強調した。

 それは妥当だとしても、安全保障環境を悪化させる元凶は北朝鮮だけではない。その点を素通りしているのは物足りない。

 尖閣諸島を狙い、南シナ海で軍事施設を拡張する「強国路線」の中国とどう向き合うか。肝心なところが分からないではないか。

 北朝鮮危機は、昨年の衆院選で首相が国難の一つに取り上げた。外交努力と、強固な日米同盟に基づいて「国民の命と平和な暮らし」を守り抜くと約束したのは当然だろう。

 安保政策の根幹は「自らが行う努力」とし、従来の延長線上ではない防衛力整備も約束した。

 一方、中国については日中平和友好条約締結40周年の今年、あらゆるレベルで交流を飛躍的に強化し、日中関係を「新たな段階」へ押し上げていくとした。

 昨年、打ち出した法の支配や航行の自由を礎とするインド太平洋戦略も取り上げた。これに沿って中国と協力し、アジアのインフラ整備の需要に応えるという。

 そのことが「安定的に友好関係を発展」させるというのは、習近平政権が重視する経済圏構想「一帯一路」への協力を意味するものだろう。

 だが、今の中国と法の支配や航行の自由、民主主義などの価値を共有するのは困難だ。それなのに、インド太平洋戦略に基づいて協力するとは甚だ疑問である。

 対中債務に苦しむスリランカは、中国の援助で建設した港の管理を99年間、中国の国営企業に譲渡した。「一帯一路」とは、中国に都合のよい経済、国際秩序をつくる手段の色彩が濃い。

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