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【産経抄】セクハラ騒動は文化の違い 1月22日

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【産経抄】
セクハラ騒動は文化の違い 1月22日

 米国の地方都市で秘書をしている独身女性のジェーンは、旅先のイタリアのベニスで恋に落ちる。もっとも相手の男は、妻子がいることを隠していた。「旅情」は1955年に公開された、キャサリン・ヘプバーン主演の映画である。

 ▼不実をなじるジェーンに、男は平然と言い返す。「おなかが減ったときにラビオリを出されたら、ステーキが食べたくてもラビオリを食べなさい」。有名なセリフは、現在ならセクハラに当たるだろう。

 ▼大物映画プロデューサーの醜聞をきっかけに生まれた、ハリウッドのセクハラ告発運動は勢いを増すばかりである。ゴールデン・グローブ賞の授賞式では、多くの女優が黒のドレスで「セクハラ横行の時代は終わり」のメッセージを伝えた。

 ▼この動きに異を唱えるのが、女優のカトリーヌ・ドヌーブさん(74)らフランスの女性文化人である。ブリジット・バルドーさん(83)も、「偽善的でお笑いぐさだ」と批判の輪に加わった。

 ▼小紙パリ支局長の三井美奈記者は、「『男と女』をめぐる文化の違いが背景にある」と書いている。そういえば「旅情」にも、文化の違いを強調する場面が何度も出てきた。ただセクハラの被害者の訴えを聞くと、フランスの女性評論家が言う「無邪気な遊び」のレベルをはるかに超えている。ハリウッドはいつからセクハラ男の巣窟となったのか。

 ▼ヘプバーンには、ハンフリー・ボガートと共演した「アフリカの女王」の撮影について記した著作がある。大酒のみのボガートは、かつらをかぶると不機嫌になった。ジョン・ヒューストン監督は、アフリカで撮影より象狩りに夢中になる。「男性意識過剰」の変人ばかりだが、卑劣な行為を働きそうな人物は一人も登場しない。

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