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【正論】他人の庭に平気で入り込む中国軍には相互主義で対応せよ 金沢工業大学、虎ノ門大学院教授・伊藤俊幸

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【正論】
他人の庭に平気で入り込む中国軍には相互主義で対応せよ 金沢工業大学、虎ノ門大学院教授・伊藤俊幸

元海将の伊藤俊幸・金沢工業大学虎ノ門大学院教授(正論メンバー) 元海将の伊藤俊幸・金沢工業大学虎ノ門大学院教授(正論メンバー)

 武器を持った徘徊者に等しい

 抗議の仕方を誤ると、日本も「航行の自由」を認めない国になってしまう。今回の日本政府の抗議は、「新たな形での一方的な現状変更で、事態の重大なエスカレーションだ」としたが、接続水域での軍艦の法的な取り扱いには一切言及していない。付言するならば、尖閣諸島の接続水域での活動に対して抗議したのであって、宮古島での活動は言及していないともいえる。

 日本の国有化宣言以降、中国は、尖閣諸島周辺海域に中国海警局の政府公船「海警」を遊弋(ゆうよく)させ、時には領海侵入さえしている。これは「この家は自分のものだ」と主張する他人が、家の前の道を頻繁に徘徊(はいかい)し、時々庭に入ってくる状態だといえる。

 他人が公道を歩くことは違法ではないが、この徘徊者が武器を持って公道を歩きだし、いずれは武器を持ったまま庭に入ってくるかもしれないと考えると、今回の中国の潜水艦と艦艇の行動を黙って見過ごすことはできない。

 では、どうすればよいか。それは「相互主義」で対応することである。「相互主義」とは「2国間で相手国内で認められた権利を自国内でも認める」考え方だ。日本政府も中国に対しては、領海内では「事前許可」を、接続水域や排他的経済水域では「事前通告」を求めることである。もちろん中国以外の国に対しては何もする必要はない。今こそ中国には「相互主義」の適応を宣言すべきである。(金沢工業大学、虎ノ門大学教授・伊藤俊幸 いとうとしゆき)

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