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【国語逍遥(93)】創作漢字 「バーチャル」を漢字一文字にするならば… 清湖口敏

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【国語逍遥(93)】
創作漢字 「バーチャル」を漢字一文字にするならば… 清湖口敏

 平成15年、国立国語研究所が外来語(カタカナ語)の言い換え案を提示した際も、「バーチャル」は「仮想」と訳された。しかしバーチャルリアリティー(VR)に関する技術と文化への貢献を目的に設立された「日本バーチャルリアリティ学会」は、「仮想」は不適切だと反論したという。

 17年に開かれた同学会第10回大会の報告に、概略次のような記述がある。

 〈「バーチャル」は決して「虚構」でも「仮想」でもなく、「事実上の」という意味であるとの認識は学会員の間では常識だ〉

 大会では、バーチャルの意味が正しく伝わるよう、バーチャルを表す漢字として「●(りっしんべんに実)」が提案された。心に関係する立心偏(りっしんべん)と「実」との合字で、読みは「ジツ・ばーちゃる」、字義は「みかけや形は原物そのものではないが、本質的あるいは効果としては現実であり原物であること」と定められた。どの辞書も載せていない創作漢字だ。

 VRに関しては全くの門外漢の私だから、「●」が示す概念に言及する立場にはないが、ただ、新しい字が創案されたことにはある種の感慨を覚える。これまでの日本になかった新しいモノや文化、概念を表すには、新しい字を創った方が便利なのは間違いない。

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