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【国語逍遥(93)】創作漢字 「バーチャル」を漢字一文字にするならば… 清湖口敏

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【国語逍遥(93)】
創作漢字 「バーチャル」を漢字一文字にするならば… 清湖口敏

 私が所属する論説委員室の主な業務は「主張」(社説)の執筆である。読者の皆さんはお気づきでないかもしれないが、上下2本の主張の場合は縦書き見出しの字数がともに11字と決まっている。過不足が生じれば、別の言葉への言い換えや漢字と仮名の置き換えなど、11字に合わせるべく知恵を絞ることになる。

 厄介なのは長々しいカタカナ語で、例えば「コンピューター」ならそれだけで7字を費やし、とても見出しには使えない。漢語で「電脳」とすれば2字で済む。カーナビゲーションならカーナビに、ドメスティックバイオレンスならDVにと、世間で定着している省略語やアルファベット略語を用いることもある。

 適切な言い換えがどうしても見つからないケースもしばしばだ。パソコン関連語の「ファイアウオール」を仮に「防火壁」と訳したところで、読者には何のことだか理解されまい。時代の流れに日本語の生産が追いついていないのだ。

 「バーチャル」はどうだろう。何だ、それなら「仮想」という立派な訳語があるではないかと思う人も多かろう。実際に大抵の国語辞書もそのような訳語をあてており、弊紙も原則としてそれに倣っている。

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