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【オリンピズム】冷たい戦いを超えて(13)政治状況がきわめて重大だった

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【オリンピズム】
冷たい戦いを超えて(13)政治状況がきわめて重大だった

タリンからピリタ(対岸左端)へ、モスクワ五輪のセーリング競技が行われたバルト海を望む=2006年12月(蔭山実撮影) タリンからピリタ(対岸左端)へ、モスクワ五輪のセーリング競技が行われたバルト海を望む=2006年12月(蔭山実撮影)

 モスクワ五輪では英国から多くの競技で選手が参加したが、ヨットと射撃、馬術、ホッケーの4競技の団体は英政府のボイコット決定を支持した。前年のピリタでのプレ五輪で銀メダルを獲得し、出場は当然と思っていた選手でも一切説明なく「派遣はない」といわれた。長い時間をかけて培った成果が一瞬にして無に帰してしまった。

 モスクワ五輪で金メダルを獲得したセバスチャン・コーは後に「五輪への貢献」で政府から表彰されている。犠牲を強いられたヨットの代表らは納得するはずがない。協会は「当時は政治状況がきわめて重大だった」と抗弁するだけで、ボイコットの真相は最後まで語ろうとしなかった。

 ただ、英紙デーリー・テレグラフはこう指摘している。

 《当時蔓延(まんえん)していた危機感から、政府のボイコット要請に応じなければ、財政的に苦境に陥る恐れがあったことが理由の一つだった》

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