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【海峡を越えて 「朝のくに」ものがたり】(1)日本ほど「お人よし」の統治者はいない

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【海峡を越えて 「朝のくに」ものがたり】
(1)日本ほど「お人よし」の統治者はいない

旧朝鮮総督府庁舎(後方)と光化門=72年、韓国ソウル市 旧朝鮮総督府庁舎(後方)と光化門=72年、韓国ソウル市

 日本統治時代、飛躍的に豊かになった朝鮮の人口は倍増した。海峡を越えて、日本へやってきた朝鮮人には、戦後のスーパースターのひとりに数えられるプロレスラーの力道山、紅白歌合戦にも出場した歌手の小畑実、日本一の美声とうたわれたテノールの永田絃次郎(げんじろう)ら文化・スポーツ関係者も多い。反対に、情熱と志を胸に抱いて海を渡り、朝鮮の近代化に尽くした日本の民間人も数知れない。

 亡くなった後に、祖国から名誉を傷つけられ、親族が身を縮めている姿を見るのは切ないし、タブー視して功績がなかったことにされてしまうのはしのびない。

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 本欄は、証言と史料によって、こうした人たちの生涯や出来事を追い「真実」に近づきたいと思っている。

 最初に取り上げるのは日本統治時代の朝鮮で、異例の覆審法院検事局検事(現在の高検検事に相当)になった大和田元一(げんいち)(朝鮮名・李炳●=1905~92年)だ。

 九州帝大を出て、昭和9年の高等試験(現在の公務員上級職試験)司法科(同司法試験に相当)合格。30代で、平壌覆審法院検事局検事(三席)になった。役人としてのランクは、天皇の裁可を受け、内閣総理大臣が任命する「奏任官」である高等官四等。軍人ならば、佐官クラスである。

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