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【一筆多論】TPP拡大論の可能性 米の孤立と高まる日本の役割 長谷川秀行 

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【一筆多論】
TPP拡大論の可能性 米の孤立と高まる日本の役割 長谷川秀行 

 そう思い直すと同時に再認識したのが、TPPが世界に拡大する意義だ。

 米国離脱で規模は縮小したものの、高水準の関税撤廃や貿易・投資の共通ルールには国際標準たり得る先進性がある。参加国が増えて、より強力で開かれた枠組みになれば日本の成長にも大きく資するだろう。

 振り返ると、2015年秋に米国を含む12カ国がTPPの大筋合意を果たした際にはタイやインドネシアなどが合流に関心を示すTPP拡大論があった。この機運がしぼんだのは米国が離脱したからである。代わりに各国が模索したのが中国との連携だった。

 昨年11月、米国抜きでTPPを再構築したのは、こうした流れを元に戻す布石でもある。保護主義志向の強い米国や、覇権主義的な中国と一線を画す経済圏を確立する。その重要性は日欧経済連携協定(EPA)にも言えることである。

 今年の日本にとって何よりも重要なことは、これらが確実に発効できるよう万全を尽くすことだ。TPPは、合意に難色を示したカナダとの調整が残る。日欧EPAも紛争解決手続きが積み残しの課題だ。対応に手間取れば、通商分野は昨年以上の混迷に陥ろう。

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