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【正論】焦眉の急は北朝鮮に非ず 試される米国の「本気度」…核容認論が心配だ 元駐米大使・加藤良三

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【正論】
焦眉の急は北朝鮮に非ず 試される米国の「本気度」…核容認論が心配だ 元駐米大使・加藤良三

元駐米大使・加藤良三氏 元駐米大使・加藤良三氏

 北朝鮮情勢が緊迫すると、緊張緩和のような動きが出てきて、少したつと事態はかえって悪化する繰り返しを、われわれは幾度も目の当たりにしてきた。大事なのは「趨勢(すうせい)」を見ることで、個々の事象に一喜一憂することではない。

 国として必要なことは、第1に武力衝突にならずに事態を収拾、解決する方途を追求し続けることであり、第2にそれと並行して、有事の場合には何をすべきか、何ができるかを研究し準備しておくことである。

≪抽象的レトリックに意味はない≫

 第1については、経済・金融分野を含む対北朝鮮制裁に最大限、可能な実効性を持たせることだ。

 第2については、いざとなった場合の邦人(拉致被害者を含む)の避難や安全確保、ミサイル防衛、米軍への支援の方途などを含め、政府部内での綿密な検討が進められているに違いない。

 今の段階において、「対話による解決を」という抽象的なレトリックは意味をなさない。

 北朝鮮の核武装化が重要課題となったのは、アメリカのクリントン政権発足(1993年)直後からである。以来、今日まで「対話による解決」が実現しないのは、主要関係国すべてが結局、「現状維持」志向以上の戦略やシナリオを描き切れなかったからだ。

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